ライターに依頼できる仕事はさまざま!実例を紹介します!

ライターとして仕事をしていると、さまざまな案件を経験します。今回は、私が出会った案件の中で、Webライティング以外の分野から印象深く、面白かった仕事を紹介します。ライティングを必要とする場面の参考としてご活用ください。

通販用折り込みチラシのライティング

Web上でショップを運営していたり、企業から顧客へ資料やサンプルを送付する際に、商品だけでなくちょっとしたチラシやリーフレットをつけることがあります。ネットショップの運営支援をしていたクライアントから、製品サンプル送付時に同封する折り込みチラシのブラッシュアップを依頼されました。

製品サンプルの反応率を高めるため、製品のメリットを強調しつつ他社製品との差別化を打ち出したいという希望を受けて、旧版のチラシと製品資料をもとに構成と文章のブラッシュアップを行いました。

結果、テキストの量が全体の70%に減り、必要事項を網羅したチラシとなって反応率が高まりました。情報が整理されてテキスト量が減ったことで、紙面の画像やデザイン文字が増え、チラシの見栄えもよくなったそうです。「数千円程度だったけど、効果的でいい投資になった」とクライアントに大変喜んでいただけました。

無駄を省き、製作者の意図が伝わる文章にするためには、構成や表現の検討が欠かせません。社内に十分なスキルを持つスタッフがいない場合、ライターに外注することをおすすめします。

サービスPR用USPの案出し

造園業を営まれるクライアントから、サービスのPRを目的にUSPを作成したく、その案を出してほしいという依頼がありました。USPとは、”Unique Selling Proposition”の略で、つまり「オンリーワンの売り文句」です。

よく例に挙げられるUPSがドミノピザのUSPで、

「ホットでフレッシュなピザを30分以内にお届けします。もし、30分以上かかったら、ピザの料金はいただきません」

と、サービス紹介と他社との差別化が短い文で行われています。キャッチコピーとの違いは、解決する問題を明示することで、興味を惹くことが目的ではありません。たとえば、マスターカードの「お金では買えない価値がある」はUSPの持つ「提案」の要素がないためUSPではなく、キャッチコピーと考えることができます。

この案件では、クライアントが商品として提供しているサービスの特徴や、ターゲットにしている顧客を念頭において50文字以内のUSP案を50本作成し納品しました。特にクライアントは「長持ち」を強みにしておられる業者です。普段から「家は耐久性を気にするが庭はあまり気にされない」という部分に焦点を当ててマーケティングを行っていらっしゃいました。USPとしてその考えを改めてご覧になったときに、この方向性に間違いはないと自信をつけたそうです。

残念ながら、提案したUSPはそのまま使われることはありませんでした。クライアントの社内で検討した結果、「あれもいい」「これもいい」となって、「なら、つなげてしまえ」という結論に至ったそうです。そのため、Webサイトや商品紹介ではUSPというよりも普通のセールス文章が掲載され、発案者としては苦々しい気持ちになりました。実力の不足も感じましたが、いい経験だったと感じております。

もともと長くお付き合いしていたクライアントだったため、商品や企業の考え方の調査が不要だったことで、案1本あたり200円と安価で提案させていただきました。思ったような成果にはなりませんでしたが、普段とは違う方向で頭を使う、楽しい案件でした。

社内広報用ドキュメンタリー風文書作成

関わった仕事の中でも、文章作成の難しさを特に強く感じた案件です。案件の概要としては、某大手企業内で行われたプロジェクト報告会で社長賞を受賞した発表内容を、ドキュメンタリー風の文章にまとめるというものです。グループ全体で数千人を抱える企業で、社長名でグループ全体に発信し、改めてグループの士気向上や企業としてのビジョンを示したいとのことでした。

1文字あたり5円で1500文字程度という依頼でしたが、プロジェクトの内容が先端のIT技術のオンパレードで、かつ化学・生物の知識も要求されるような内容であったため、提供された資料の読み込みや関係者インタビューの文字起こしにかなりの時間がかかりました。アピールポイントも非常に多く取捨選択が難しい案件で、想定していた工数を大きく超過しましたが、いい勉強をさせていただきました。

多くの人に影響を与える文章ほど、作成に力を入れるのは当然のことですが、普段忙しく働いている中で、そのような質の高い文章を考えて書くことは至難の業です。企業でライターを抱えている場合もありますが、ライターにも得意・不得意がありますので、必ずしも適切な人材がいるとは限りません。質の高い文章を求めたいケースで、専門ライターを活用するという選択肢もあるのだなと思わされました。

まとめ:ライターに依頼できる仕事はたくさんある

ビジネスをしていく上で、文章を書くことは非常に大切です。文章作成は「誰でもできる」と思われがちですが、さまざまな分野で高い効果を生み出すための文章は、簡単には書けません。知識や文章力が伴っていても、時間が足りないケースも多いものです。こうした時、ライターはあなたの頭となり、手となって文章作成をサポートします。「こんな仕事はできないだろうか」と思ったら、ぜひ相談してみてください。

ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則
ジョン・ケープルズ
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 958
WRP代表ライター。 元経営コンサルタントで、企業のITやセキュリティの支援を担当。Webやブログの黎明期からWebマーケティングに関わり、Web全般を得意とする。SEO知識とIT知識を武器にするIT系ライター。 Webライティングだけでなく、専門性を活かし、中小企業向けのIT導入相談、セキュリティ相談、ソフトのローカライズ(日本語化)支援、研修や試験のテキストや解説書の作成なども手掛ける。